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2025年7月31日 不動産コラム 不動産不動産売却不動産売買市川市抵当権浦安市相続

抵当権付きの不動産が相続財産に含まれる場合-抵当権とは?どのように対処する?

本日も税理士法人荒井会計事務所のコラムをご覧いただきありがとうございます。

このコラムでは、浦安市・市川市(南行徳、行徳、妙典)エリアを中心に、不動産や不動産の税金・税制、相続分野などをテーマにして随時情報発信を行っております。

今回は「抵当権付きの不動産が相続財産に含まれる場合」について、見ていきたいと思います。

相続した不動産に抵当権が設定されている場合というのは、そんなに多いケースではないかもしれませんが、それゆえか抵当権付き不動産の相続について理解しているケースというのは少ないように思います。

早速見ていきましょう。

抵当権付きの不動産とは

まず、「抵当権付き不動産」とは何かを明確にしておきましょう。

抵当権とは、金融機関などが不動産を担保にお金を貸し付けた際に設定する権利のことです。

万が一、債務者(お金を借りた人)が返済できなくなった場合、金融機関はその不動産を競売にかけるなどして、貸したお金を回収することができます。

つまり、抵当権付き不動産を相続するということは、その不動産に紐づく「借金」も同時に引き継ぐ可能性があるということを意味します。

故人が返済を滞りなく行っていたとしても、相続人はその債務の存在を認識し、将来的なリスクに備える必要があります。

抵当権付き不動産を相続することが判明した場合には、不動産の登記事項証明書を取得し、詳しく確認しておきましょう。 (誰が債務者か、いくらの債務があるのか、等)

不動産の相続税評価への影響について

抵当権付の不動産であっても、通常の不動産と同じように相続できますが、前述のとおり相続後も抵当権がそのまま残り、それに関連する借金も引き継ぐ可能性があります。
もし、相続後に借金の返済が滞ったり、返済不能となった場合には、相続した不動産は差し押さえられ売却されます。

また、抵当権付き不動産の場合でも、抵当権なしの不動産と同様、相続税評価額(土地であれば路線価、建物であれば固定資産税評価額をもとに算出される)を算出することになります。
※路線価については先日ニュース等でも「全国平均が4年連続で上昇」といった報道がされていましたので、その状況をご存じの方も多いかと思います。

参考:国税庁HP 路線価図・評価倍率表

※建物の場合はその利用状況等をもとに設定された利率をかけて計算されます。
個人利用か、第三者に貸していたか等によっても変動します。
同時に、故人が残した借金(住宅ローンなど、抵当権の対象となっている債務)があると、相続税の計算上、相続財産の総額から差し引くことができます(債務控除)。

抵当権を抹消するには

(1)債務の返済

抵当権をなくすには、債務を完済しなければなりません。相続人が被相続人の債務を引き継いだ場合は、相続人が債務を返済します。

第三者の債務を被相続人の不動産で担保していた場合は、第三者の債務完済を待つか、不動産を継いだ相続人が借金を肩代わりし、不動産の抵当権を外して、返済額を第三者に求償する方法もあります。(求償しなければ、第三者への贈与金になります。)

(2)抵当権の登記抹消

注意したいのが、債務が完済されても自然に抵当権の登記は消えません。
法務局で、抵当権者である金融機関と不動産を相続した相続人とが共同で抵当権の抹消登記を申請する必要があります。

場合によっては相続放棄の検討も必要

先にも述べた通り、相続が発生した際には、まずは故人の資産と負債がいくらあるのか把握しましょう。
負債が資産を大きく上回っている場合、そのまま相続してしまうと後の生活に多大な負担がかかる懸念があるからです。
負債が大きい場合は、相続放棄を検討した方が良いでしょう。

まとめ

今回は、抵当権付き不動産を相続する場合についてみてきました。

相続が発生する場合は、財産の種類や性質によって、様々な手続きが必要になります。
不動産相続の場合はその資産価値の高さから、より一層慎重に対応していく必要があります。

不動産相続に関する経験が豊富な方、知見が豊かな方はそうそういらっしゃらないと思います。
お困りの際、ご不安な際はぜひわれわれのような専門家集団へご相談ください。

税理士法人荒井会計事務所では、浦安市・市川市エリアを中心として、相続や不動産に関するご相談を受けつけております。 お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

この記事を書いた人

我々は不動産・相続に強い専門家集団です。この「行徳・妙典・浦安」地域で税理士開業して25年になります。
毎年この地域の方より700件以上の確定申告の依頼を受けており、不動産の確定申告や節税に関する対応を得意としています。
節税を考えている方、不動産の法人化を検討している方、不動産の売却を考えている方、相続対策を考えている方、不動産でお悩みの方、ぜひお気軽にご相談ください。
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