二拠点生活のために空き家を購入する人が増加中!
昨今、働き方改革によるリモートワークの普及や、空き家の増加によって地方の物件が安く購入できることから、二拠点生活を始める人も増えています。しかし、新しい拠点を持つということは、その分の固定資産税の支払いも発生します。
今回は、二拠点生活をするにあたって必要な手続きや、空き家を安く購入できるサービスなどについて紹介していきます。
今、二拠点生活が注目されている理由
「二拠点生活(デュアルライフ)」とは、その名の通り、2つの生活拠点を持ったライフスタイルのことを指します。
平日は都市部に居住して学校や仕事に通い、週末になると自然に囲まれた田舎に暮らすという生活スタイルが多く、これによって都会の喧騒や日常のストレスから解放されることになります。
人によっては、生活拠点を2つ以上持っている人もいて、「多拠点生活」とも言います。
都会のせわしない生活に疲れた人や、子供たちに自然に触れてほしい・見分を広めてほしいといった希望から、複数の拠点を持つ人が多いようです。
ひとところに留まらずに、生活拠点を変えていくことができるようになったのも、コロナ禍以降、リモートワークが普及したことが大きな理由として考えられます。仕事と生活の場所を分けられるようになったことで、都市部での生活と地方でのリラックスした生活を両立させることができるようになりました。
また、人口減少により空き家が増加していることも大きな要因の一つです。
実際、まだまだ首都圏への人口集中が解消される兆しは見えません。
そのため、地方には空き家が増えており、格安で購入、場合によっては無料で譲渡してもらえることもあります。
その結果、二拠点・多拠点生活をする人が増えてきているというわけです。
空き家を購入するのに便利なサービス
「空き家問題」とも言われますが、空き家の増加はわが国において大きな社会問題となっています。
以前のコラムでも紹介しましたが、空き家が増えると、治安の悪化・住宅倒壊のリスク・地価の低下など、周辺地域にとって悪影響を及ぼします。そのため、国としても、空き家を引き受けてくれる個人や事業者を積極的に募っており、「空き家バンク」などのサービスも提供しています。
空き家バンクとは
「空き家を売りたい・貸したい」という所有者と、「空き家を買いたい・借りたい」という利用者をマッチングさせるためのWEBサイトです。
空き家バンクは自治体が運営しており、自治体が空き家情報を収集し、インターネット上で公開。
それを利用者が検索し、問い合わせをするという仕組みで成り立っています。
空き家バンクに掲載されている物件は、ふつうの不動産仲介では買い手・借り手がつかない物件がほとんどですから、通常の物件よりも格安で購入・賃貸することができます。
ただし、個人間の取引となりますので、物件所有者と利用者との契約は、当事者間で行う必要があるので、その点は注意しましょう。
民間企業が運営する、空き家マッチングサービスも
自治体が運営する空き家バンクの他に、民間企業が提供している同様のサービスもあります。
空き家バンクと同じく基本的に掲載料は無料ですが、空き家バンクとの違いは、運営会社に直接悩み相談をすることができたり、購入後の保証サービスなどを付帯することができたりする点です。
また、業者が空き家を購入し、リノベーションをした上で売りに出す、といったスタイルも盛んになってきています。空き家バンクを通じて購入した場合、その物件をリノベーションするのは購入者の責任・判断になります。
一方、業者からリノベ後の物件を買う場合は、その必要はありません。
その分、価格は上がりますが、安心して綺麗な住宅を購入できることがメリットとなります。
二拠点生活のために家を買ったら、税金はどうなる?
首都圏にメインの住宅をすでに所有していて、二拠点生活のために地方に新たな住宅を購入したい場合、お金の流れはどうなるのでしょうか。
住宅ローンは使えない?
二拠点目の家を買う際に、ローンを組みたいという人も、もちろんたくさんいます。
ですが、0.4%〜2%という非常に低金利な「住宅ローン」は1つ目の住宅購入時にしか使えません。
二拠点目の住宅購入には「セカンドハウスローン」などを利用しなくてはならず、金利も2〜3%と引き上がります。
固定資産税の支払いが発生する
購入した空き家は、自分の所有物となりますから、もちろん毎年の固定資産税が発生します。
物件自体が低価格で買えたとしても、住宅購入後にはこうしたランニングコストが発生することも忘れずに覚えておきましょう。
賃貸に出した場合などには、確定申告が必要なことも
最近よくあるのが、地方にある二拠点目の住宅を、使用しない間は賃貸に出すというやり方です。
民泊などで収入を得たときは、確定申告が必要になるので注意しましょう。
会社員の場合は年間20万円以上、勤め先がないフリーランスのような人は、いくらであっても確定申告が必要です。
また、貸し出している物件が、「購入した家」なのか「誰かから賃貸しているもの」なのかによって、確定申告時の所得区分が変わります。
※参照:国税庁「No.1370 不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)」
まとめ
都会に疲れた人にとって、夢が膨らむ二拠点生活ですが、現実的に生じるお金の流れについても、きちんと把握しておきましょう。
空き家購入には自治体から補助金が出ることもあります。こうした補助金の利用や、その後の確定申告、固定資産税の計算など、資金関連でのご相談は、ぜひ専門家集団である税理士法人荒井会計事務所にご相談ください。