賃貸経営のメリットとデメリットを解説
アパートやマンションを他人に貸し出すことで賃料を得る「賃貸経営」は、昔から人気のある資産運用方法です。
皆さんの周囲にも、賃貸経営をしている人が何人かいることでしょう。
みんながやっている投資法とはいえ、デメリットがないわけではありません。
はじめて賃貸経営に挑戦する際には、そのリスクについてもしっかり理解しておきましょう。
そこで今回は、賃貸経営の基本や、具体的なメリット・デメリット、注意点について詳しく解説します。
賃貸経営は王道の投資法
賃貸経営は、物件を購入し第三者に貸し出すことで、毎月の家賃収入を得る、というものです。
株式投資や投資信託と並んで、長期的に安定した収益を見込めるので、非常にメジャーな投資法として過去も昔も根強い人気があります。
特に、不動産は金や美術品と同じく実物資産であるため、長期的に見て価値が安定しているのが特徴です。
株式や証券をはじめとした金融資産と比べて価値の変動が小さいので、より安定的に資産を運用することができます。
賃貸市場の最新トレンド
いくら不動産が安定している資産だといっても、時代によってトレンドは存在します。
賃貸経営を始める前には、市場環境を知っておくことも非常に大切です。
1. 都市部の需要増加
一都三県(東京、神奈川、埼玉、千葉)や、大阪、名古屋といった都市部への人口集中が進んでおり、特に若者や単身者向けの賃貸物件の需要が高まっています。
また、福岡市内や沖縄県など人気エリアについても賃貸需要が高まっており相場が上がってきています。
2. 高齢者向け物件の増加
高齢化社会の進展に伴い、高齢者向け物件の需要が増えています。
段差が解消されているか、玄関や風呂場の引き戸化がなされているか、など安全に配慮したつくりが特徴です。
東京オリンピック選手村跡地に建設されたハルミフラッグの賃貸街区でも、シニア向けの高級レジデンスが用意されています。
3. リモートワーク対応物件の人気
コロナ禍以降、リモートワークが普及し、在宅勤務に適した広いリビングや高速インターネットが備わった物件の人気が高まっています。
首都圏に比べて通勤が不便な郊外エリアだと、広さを確保できることから、小さめの書斎スペースを設けた物件が人気となっています。
4. 環境配慮型物件に注目
環境意識の高まりから、エコフレンドリーな設備やエネルギー効率の高い物件も注目を集めています。
古い物件であっても、断熱材の変更や二重窓などで断熱性を高め、エネルギー消費量を少なく抑える物件は、電気代を抑えられるということから、賃貸市場で人気があります。
賃貸経営のメリット
では、賃貸経営のメリットについて見ていきましょう。
1. 安定収入が得られる
毎月の家賃収入は、安定的な収入になります。
一度借主が見つかれば、年単位でキャッシュフローの確保ができるので、非常に安定性の高い投資だと言えるでしょう。
2. 資産価値が高まる可能性がある
昨今は、不動産の価格がとても高騰しています。
都心であれば、10年前に買った物件が1.5倍の値段で売れるといったことも珍しくありません。
賃貸用に購入した物件も、もちろん自分の所有物であり資産です。
資産価値が向上したので売りに出すというのも、資産運用として王道の手段です。
3.税制優遇
不動産投資には税制上の優遇措置が多くあります。
不動産収入を得るのにかかった費用は、経費として認められており、所得から差し引くことができます。
例えば、ローンの利息や修繕費、管理会社などとの打ち合わせ費用などがそれにあたります。
経費として使った分は、確定申告で忘れずに申請しましょう。
※参照:国税庁「No.1370 不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)」
賃貸経営のデメリット
一方で、賃貸経営にはデメリットも存在します。
1. 初期投資が高額
賃貸物件を購入するには、多額の資金が必要になります。
ローンを利用するにしても頭金や諸費用がかかりますし、投資用ローンは金利が高く設定されています。
2. 空室リスクがある
賃貸経営の代表的なリスクが「空室」です。
入居者がいない期間は家賃収入が得られず、固定費用(ローン返済、管理費、税金など)だけがかかります。
また、空室が続けば部屋は傷みやすくなるので、修繕費がかかる可能性も出てきます。
3. 管理とメンテナンスの手間
物件の管理やメンテナンスには手間がかかります。
多くの人は管理会社を利用するでしょうが、その費用も重なるため、きちんと計算しておく必要があります。
4.物件価格の下落リスク
不動産市場は当然、変動します。購入した物件の価値が下がる可能性もありますし、周辺物件の賃料が下がれば、相場に合わせて賃料を下げなくてはいけない場合も出てきます。
賃貸経営の注意点
賃貸経営を始める際には、以下の点に気をつけましょう。
1. 市場調査をしておく
賃貸市場の動向をしっかり調査することが大切です。
相続などで得た物件ではなく、投資用として新たに物件を購入する際には、需要が高いエリアや物件を選ぶことが大切です。
2. 資金計画
得られる賃料に対して、管理費、修繕費、火災保険、固定資産税…などの支出を整理して、資金計画を立てておきます。
特に、ローンを組んでの物件購入を考えている人は必ず行いましょう。
3. 法律、税務知識の習得
賃貸経営には、契約や税務に関する法的知識がある程度必要になります。
また、賃料収入を得ると確定申告が必要になるので税務知識も必要です。
わからない場合は、専門家に依頼することも検討しましょう。
まとめ
賃貸経営は、安定収入を得るための有力な投資手段のひとつです。
新たに投資用にアパートやマンションを買う人はもちろん、最近は「賃貸物件を相続した」という人も増えているので、親から引き継いだ物件をそのまま運用する人もいるでしょう。
デメリットやリスクも理解した上で経営を行うことは、安定した資産を築く一助になります。
賃貸経営に関心のある方、またすでに始めているけれどもっと良い方法がある方は、一度、専門家集団である荒井会計事務所に相談してみてください。
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