「青色申告をしていない不動産オーナーは損をしている?」初心者向けにやさしく解説します!

いつも税理士法人荒井会計事務所のコラムをご覧いただきありがとうございます。
当コラムでは、妙典・行徳・浦安エリア周辺にお住いの方へ向けて、
不動産や相続に関する内容を、コラムという形で情報発信しております。
今回は「青色申告」について少しお話ししてみたいと思います。
不動産投資を始めたばかりの方からよくあるのが、
「とりあえず確定申告はしているけど、青色申告にはしていない」
というケースです。
しかしながらこのケースは、実は毎年少しずつ損をしている可能性があります。
しかも、条件によっては数万円〜十万円単位で差が出ることもあります。
今回は初心者の方向けに、青色申告にしていないと何が違うのか、
そして「どれくらい損しやすいのか」を専門用語の説明つきでなるべくわかりやすく解説していきます。
損をしやすいのは「控除」と「家族への給与」
不動産オーナーが青色申告にしていない場合(=白色申告のままの場合)、主に次の差が出てきます。
- 青色申告特別控除が使えない(または青色申告より不利)
- 家族に支払う給与の扱いで不利になりやすい
- 記帳や申告のルールを整えないままだと、節税の判断もしづらい
特に大きいのが、青色申告特別控除(あおいろしんこく とくべつこうじょ)です。
これは、一定の条件を満たすと所得から一定額を差し引ける制度です。
「青色申告」と「白色申告」、何が違うの?
- 青色申告:帳簿をきちんとつける代わりに、税制上のメリットがある申告方法
- 白色申告:青色申告の承認を受けていない申告(上記メリットは基本的に使えない)
初心者の方は「青色申告=難しそう」と感じがちですが、
今は会計ソフトを使えばかなり進めやすくなっています。
面倒だから白色申告のままにしていると毎年の差が積み上がっていきます。
いくら損してる??まずは「控除額の差」で考えてみる
不動産の貸付けは、規模や要件によって青色申告特別控除の金額が変わります。
国税庁の説明では、事業として行われている不動産貸付けで一定要件を満たすと
最高55万円(e-Tax等で65万円)、それ以外は最高10万円です。
(国税庁)
ざっくりと比較(初心者の方向け)
- 白色申告:青色申告特別控除なし
- 青色申告(簡易な帳簿など):10万円控除の可能性あり
- 青色申告(複式簿記+要件達成):55万円控除(さらに要件で65万円控除の可能性)
※具体例として、毎年いくらぐらい損しているのか?のイメージ
ここでは分かりやすく、税率そのものは人によって違うので、まずは控除額の差で見てみます。
ケース1:白色のまま → 青色10万円控除にできた人
- 差額:10万円
- つまり、税金計算の対象となる所得を毎年10万円分多く申告している可能性
ケース2:白色のまま → 青色55万円控除にできた人
- 差額:55万円
- 所得が55万円多く見えるので、税負担の差が出やすい
ケース3:白色のまま → 青色65万円控除にできた人(e-Tax等)
- 差額:65万円
- 年間で見るとかなり大きい差になります
つまり、
「最低でも10万円分、条件によっては55万〜65万円分の所得控除の差」を
毎年逃している可能性があるということです。
(もちろん実際の税額の差は、所得税率・住民税・ほかの所得状況等で変動します)
見落としがちなもう1つの差:家族への給与の扱い
家族に手伝ってもらっている不動産オーナーさんは、ここも重要です。
国税庁によると、青色申告者は一定の要件を満たせば、家族に支払った給与を青色事業専従者給与として
必要経費にできる仕組みがあります。
一方、白色申告では原則として給与をそのまま経費にできず、
事業専従者控除という別の扱いになります。(国税庁)
- 青色事業専従者給与:家族に払う給与を、要件を満たせば経費にできる制度
- 事業専従者控除:白色申告で使う、定額に近い控除制度
※ただし不動産所得では、これらは不動産貸付けが事業として行われている場合(いわゆる事業的規模)に
適用されます。
初心者が知っておきたい注意点「青色申告は申請すればその場でOK」ではない
青色申告は、やりたい年の申告直前に思い立っても間に合わないことがあります。
原則としてその年の3月15日まで、新たに不動産の貸付けを始めた場合は
開始日から2か月以内などの提出期限があります。
そのため、はじめての方は、まずは次の順番で行動するのがおすすめです。
- 今年分から青色にできるか期限を確認する
- 会計ソフトを使って記帳を始める
- 領収書・通帳・家賃明細を月ごとに整理する
- 事業的規模かどうか(控除額や家族給与に関係)を確認する
- 不安なら税理士に「青色に切り替えた場合の差額」を試算してもらう
まとめ
初心者の不動産オーナーにとって、青色申告はたしかに最初は少しハードルが高いかもしれません。
しかし一方で、白色申告のままでいるコストというのは見えにくいだけで実は大きいものです。
- 控除の差で、毎年10万〜65万円分の所得差が出る可能性
- 家族に手伝ってもらう場合の経費計上でも差が出やすい
- 期限を過ぎると、その年は切り替えられないことがある
「まだ物件数が少ないから早いかな?」と思う方こそ、早めに整えておくと後がラクです。
青色申告は、節税のためだけでなく、不動産経営のお金の流れを「見える化」する第一歩でもあります。
不動産経営や税金についてのお悩みはぜひ一度税理士法人荒井会計事務所までお気軽にご相談ください。
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