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2025年10月31日 不動産コラム 不動産不動産所得不動産投資相続税賃貸マンション経営

賃貸マンション経営のポイントと注意点|初心者が知っておくべき税金対策と成功のコツ

いつも税理士法人 荒井会計事務所のコラムをご覧いただきありがとうございます。
このコラムコーナーでは、行徳・妙典・浦安エリアの不動産オーナーの方へ向けて様々な情報発信をしております。
少しでも皆様のお役に立てば幸いです。

以前、下記の記事で賃貸経営のメリットやデメリットについて少しお話ししました。
今回も同様のテーマを取り上げてみたいと思います。

過去記事 : 「賃貸経営のメリットとデメリットを解説」

賃貸経営は「不動産投資」であり「事業」

賃貸マンションの経営とは、単に不動産を所有して家賃を受け取るだけという簡単なものではありません。
立地条件や建物の維持、入居者への対応、そして税金対策までを含めた総合的な経営活動です。

家賃収入(賃料収入)は「不労所得」と思われがちですが、実際には

  • 空室の発生
  • 修繕費の増加
  • 税負担の増加
    といった要素によって利益が大きく変動します。

そのため、賃貸経営を始める前に「経営=事業」と捉え、収支計画と税務知識の両輪で進めることが重要です。

立地と需要を見極めることが成功の第一歩

賃貸マンション経営で最も重要なのは、立地選びです。
入居者需要がある場所でなければ、いくら建物が新しくても空室が続いてしまいます。

ポイントは以下の通りです。

  • 最寄駅から徒歩10分以内のアクセス
  • スーパーやコンビニなど生活利便施設の充実度
  • 大学・病院・企業などの集客施設が近いか
  • 地域の将来性(再開発・人口動向など)

さらに、想定する入居者層(単身者なのか、ファミリーなのか、等)を明確にし、賃料相場を調査しておくことも欠かせません。
賃貸情報サイトを活用して、家賃相場×稼働率を把握することが大切です。

自主管理と委託管理の違いを理解しよう

経営開始後の大きな判断のひとつが、「管理方法」です。

  • 自主管理:手間はかかるがコストを抑えられる
  • 委託管理:管理会社に委託し、手間を省く(手数料は家賃の3〜5%ほど)

初心者の場合は、トラブル対応や入居募集のノウハウを考慮し、信頼できる管理会社に委託するのが無難です。
管理会社を選ぶ際は、「入居率」「対応スピード」「修繕時の見積もり透明性」などをチェックしましょう。

長期的な資金計画とリスク管理の重要性

賃貸経営は短期的な利益を追うビジネスではありません。
ローン返済、修繕費、固定資産税などを見越した10年・20年単位の長期計画が必要です。

特に注意したいのが「空室リスク」です。
1〜2室の空きでも年間収支に大きな影響を与えることになります。。
そのため、家賃を少し抑えてでも「満室経営」を維持する方が、長期的に安定します。

また、定期的に修繕積立金を確保し、外壁塗装・屋上防水・給排水設備などの大規模修繕に備えることも大切です。

税金の仕組みと節税の基本を押さえよう

賃貸経営では、さまざまな税金が関係します。
主なものは次の3つです。

  1. 所得税(家賃収入に対する税金)
  2. 固定資産税・都市計画税(土地・建物の所有にかかる税金)
  3. 相続税(資産を引き継ぐ際にかかる税金)

これらを正しく理解し、経費計上や資産管理の工夫で節税することが、安定経営の鍵です。

所得税の節税ポイント

家賃収入から経費を差し引いた「不動産所得」に課税されます。
経費として認められるものは以下の通りです。

  • 建物の減価償却費(法定耐用年数に応じて費用化)
  • 管理費・修繕費・保険料
  • ローンの利息部分
  • 固定資産税・清掃費・広告費など

中でも「減価償却費(げんかしょうきゃくひ)」は重要です。
建物の価値は年々下がるため、その分を毎年少しずつ経費にでき、実際の支出がなくても所得を圧縮できる点が魅力です。

相続税対策としての賃貸経営

賃貸マンション経営は相続税の節税策としても有効です。

  • 貸家建付地(かしやたてつけち)評価の適用
    → 更地よりも土地評価額が下がり、課税対象が減る。
  • 建物の評価圧縮
    → 固定資産税評価額ベースで計算されるため、市場価格より低い評価になる。

ただし、「節税目的だけ」で建てるのは危険です。
需要が乏しいエリアでは経営が赤字化し、結果的に資産が減るリスクもあります。
税務と経営の両面からバランスの取れた計画を立てましょう。

契約・修繕・トラブル対応で信頼される経営を

賃貸経営では入居者との信頼関係も大切です。

  • 契約書は必ず宅地建物取引士を通して確認
  • 家賃保証会社の利用で滞納リスクを軽減
  • 修繕要望には迅速に対応し、満足度を維持

また、10年単位での定期修繕計画を立てておくと、資産価値の維持につながります。
外壁塗装や配管の老朽化対応を後回しにすると、結果的に高額な修繕費になることもあります。

まとめ

賃貸マンション経営は、長期的に安定した収入を得られる魅力的な投資です。
ただし、空室・修繕・税金・法律などの課題に常に対応する必要があります。

不動産に強い税理士であれば、

  • 経費の最適化による節税提案
  • 相続・贈与を見据えた資産設計
  • 収支シミュレーションの作成

など、経営者目線でサポートが可能です。

「初めての賃貸経営で不安がある」「節税しながら安定収入を得たい」という方は、
不動産と相続の専門家集団である、荒井会計事務所にぜひ一度お気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

我々は不動産・相続に強い専門家集団です。この「行徳・妙典・浦安」地域で税理士開業して25年になります。
毎年この地域の方より700件以上の確定申告の依頼を受けており、不動産の確定申告や節税に関する対応を得意としています。
節税を考えている方、不動産の法人化を検討している方、不動産の売却を考えている方、相続対策を考えている方、不動産でお悩みの方、ぜひお気軽にご相談ください。
初回相談は完全無料です。