売却前に知っておきたい、不動産相場を自分で調べる方法
マンションや戸建て、土地などの不動産を売却する時には、
不動産会社に相談する前に、
「だいたいこの物件ならいくらぐらいだろうか?」という、
大枠の相場を自分で把握しておくことが大切です。
不動産会社の査定というのは、
必ずしも正しいわけではありません。
担当者のさじ加減というケースもよくありますし、
査定内容が曖昧ということもありえます。
もちろんそのような不動産会社ばかりではないですが、
あらかじめ自分なりに相場を把握しておけば、
万が一不当な値付けをされてしまったとしても、
瞬時に気づくことができるようになります。
特に初めての不動産売却をお考えの方は、不動産会社へ依頼する前に
当社へ一度ご相談していただくとより安心していただけるかと思います。
では、今回は自分でも行える「不動産相場の調べ方」
について解説していきたいと思います。
不動産の相場を調べる前に準備すること
不動産の相場を調べる前に、
まずは、その不動産の概要情報を準備しておきましょう。
不動産を購入した時や、賃貸住宅を探すときと同じ要領です。
・住所
・最寄り駅
・最寄り駅からの距離
・面積(㎡、坪の両方で分かるようにしておきます)
・築年数
・間取り
情報としてはシンプルですが、いざ調べようと思うと
思い出すのに意外と手間取りますので、手元に用意しておきましょう。
不動産相場の調べ方:実践編
不動産の相場を調べるには、以下の方法があります。
1. 「実際の売買取引価格」を調べる
2. 「売り出し価格」から推測する
では、それぞれのやり方について説明していきましょう。
1.実際の売買取引価格から調べる
不動産は、国民の生活にとって重要な資産であることから、
「実際の取引情報」がある程度公開されています。
そこで、似たような物件がいくらで取引されたかを
調べることで、相場を把握することができるのです。
調べ方は2つあります。
国土交通省が運営する「土地情報総合システム」と
不動産流通機構が運営する「レインズマーケットインフォメーション」です。
国土交通省が運営する「土地情報総合システム」では、
実際の取引情報を検索することができます。
土地情報総合システムに登録されているのは、
宅地だけでなく、農地や林地も含まれます。
「レインズマーケットインフォメーション」は、
国土交通省が指定する「不動産流通機構」が運営しており、
これも半ば公的なシステムです。
もっぱら、市場に流通している宅地や過去の取引データが登録されています。
では、実際にどのように検索するのかを説明しましょう。
【土地総合情報システムでの調べ方】
土地総合情報システムのサイトにアクセスして
「不動産取引価格情報検索」を開きます。
すると、以下のように情報を選択する画面が開きます。
ここでは、以下の3つの情報を入力します。
・取引の時期
・不動産の種類
・地域
手持ちの不動産の相場を調べる、という目的なので
以下のポイントを抑えて検索しましょう。
・取引の時期 → 直近の時期から順に、3〜5年間分
・不動産の種類 → 手持ちの不動産と同様のもの
・地域 → 手持ちの不動産と近しい場所
これで検索をすると、条件に当てはまる取引が一覧で表示されます。
このデータから、似たようなエリア、似たような物件が
どれぐらいの価格で実際に取引されたのかを確認することができます。
数字をざっくりと把握することで、
相場感を身につけることができるようになります。
【レインズマーケットインフォメーションでの調べ方】
レインズマーケットインフォメーションでも、
実際に取引が行われた不動産情報を調べることができます。
サイトにアクセスしたら、調べたい取引について
マンションか戸建てかを選択します。
都道府県・地域を選択して「検索」を押すと、
そのエリアで取引されたデータの概要が出てきます。
ただ、この時点では、間取りや築年数などは仕分けられていないので、
右下の「追加検索条件」欄にチェックを入れて絞り込んでいきます。
レインズマーケットインフォメーションでは、
「エリア詳細」「沿線」「最寄り駅」「駅からの距離」など
土地情報総合システムよりも細かく設定することができるので、
手持ちの物件に近しい条件を当てはめて絞り込みましょう。
絞り込むと、このように取引情報の一覧が見られます。
国土交通省の土地総合情報システムより詳しい条件で検索できるので、
より似たような物件の取引価格を知ることができます。
ただし、レインズマーケットインフォメーションでは
「建物のみ」「建物+土地」の情報しかなく、
「土地のみ」の取引情報は調べることができない点には注意です。
2. 売り出し価格から相場を推測する
不動産の相場を知るもう一つの方法として、
現在市場に出ている物件の売り出し価格から推測する、という方法があります。
これは非常にシンプルで、
SUUMOやLIFULLといった不動産ポータルサイトで
似たような物件を調べる手法です。
先ほどの、土地総合情報システムやレインズでの調べ方と同じく、
「エリア」「物件情報」を入力して
似ている物件がどれぐらいの価格で売り出されているかを確認します。
検索すると、以下のように
売り出し中の物件が一覧で確認できます。
ただし、この金額はあくまでも「売り出し価格」であって、
実際の成約価格とは異なります。
ここに表示されている価格の80%〜90%の価格で、
実際の取引がされているものとして考えた方がいいでしょう。
また、似たような物件が同じエリアにたくさん出ている場合は、
値引き交渉をされる可能性が高まります。
そのような場合は、やや低めに見積もっておいた方が無難です。
まとめ
不動産の売却を検討する際、気をつけなければいけないのは、
なんの知識もない丸腰の状態で、
不動産会社に駆け込んでしまわないことです。
前回のコラム(売主の味方とは限らない!不動産会社の思惑とは?)
でも解説しましたが、不動産会社は必ずしも親身になって
対応してくれるわけではありません。
自身の不動産がどれぐらいの価値がありそうか、
まずは自分で調べた上で、話をしに行く方が
納得のいく売却につながる可能性が高いと言えます。
もちろん、当社でもこうしたご相談に対応しておりますし、
不動産売却にいたった後の、確定申告の対応もカバーしておりますので、
お気軽にご相談ください。