妙典エリア(市川市)の不動産価格の推移は? 過去10年間のデータと最新の不動産取引事例をチェック!
妙典は、千葉県市川市の南部に位置する、
東京メトロ東西線・妙典駅を中心に広がるエリアです。
前回紹介した行徳エリアと同じく、
東京都心へのアクセスが良好なことから、
ベッドタウンとしても人気が高まっています。
それでは、妙典エリアの過去10年間の
土地価格推移について紹介していきましょう。
市川市妙典地区の概要
東京メトロ東西線・妙典駅周辺は、
市川市の中でも比較的最近発展した場所で、
特に南側は駅前広場や公園、道路、住宅街が整然としています。
というのも、妙典駅が開業したのが2000年と割と最近のことで、
東西線のなかでも一番新しい駅になります。
この妙典駅の開業時期に合わせ、
駅周辺と駅南側の区画整理事業が行われて
街の開発が進んでいきました。
妙典駅から都心へのアクセスは良好で、大手町駅まで約30分。
朝の時間帯には妙典駅から上り線の始発が出ているので、
ラッシュ時でも座って通勤することができます。
妙典駅周辺の住環境は?
駅前には、大型商業施設「イオン市川妙典店」があり
映画館や飲食店、100円ショップなど、生活に必要な買い物や娯楽も
駅周辺で充分に事足ります。
また、江戸川・旧江戸川沿いには、
公園や河川敷が広がっていて自然環境も豊か。
特に江戸川の河口は、ハゼ釣りのスポットとして知られています。
地形としては坂が少なく、自転車で移動するのに向いていますし、
首都高の出入り口や、行徳バイパスも通っているため、車での移動も便利です。
こうした立地から、最近ではファミリー層からの人気が高いエリアになりました。
市川市妙典駅周辺の10年間の公示地価推移は?
それでは、妙典の過去10年間の公示地価推移※を見てみましょう。
※公示地価とは、国土交通省が公表する土地価格の指標となる数値で、
その土地が1㎡あたりいくらになるのかを表しています。
妙典地区の10年前の公示地価は、1㎡あたり24万6500円でしたが
2016年以降、急速に価格が上昇。
2023年現在では1㎡あたり32万8500円となっていて、
10年間における地価上昇率は33.3%でした。
ちなみに、浦安地区の10年間の地価上昇率は約20%、行徳地区は約26%です。
この二つの地域に比べると、妙典はもともと割安だっただけに
土地価格の上昇率が数値に大きく反映されやすいのでしょう。
市川市妙典の地区別
土地価格推移・取引価格をチェック!
では、ここから妙典駅周辺の土地価格推移や、
実際の物件取引価格を細かく見ていきましょう。
妙典
妙典駅から江戸川に向けて広がる住宅地で、
土地区画整理事業のメインとなっている場所でもあります。
イオン市川妙典のある場所と、そこに隣接する一部のブロックを除くと
ほとんどが住宅地区として指定されていて、
市の方針として住宅街を作りたかったということが分かります。
<市川市妙典の公示地価推移(過去10年)>
妙典地区の公示地価は、2014年に1㎡あたり28万8000円でしたが、
2023年には38万2000円と、約10万円ほど上昇しました。
上昇率は32.6%です。
妙典地区の北側にある、駅から徒歩7〜8分の「妙典公園」では
春には河津桜やソメイヨシノが見られますし、
遊歩道からは江戸川を眺めることができます。
商業施設も近接していながら、江戸川の眺望を楽しむこともできるという
非常に暮らしやすい地域と言えるでしょう。
富浜
妙典駅からすぐ北側と
妙典駅〜行徳駅にかけて南側に広がるのが富浜です。
富浜のほとんどの場所は、駅の徒歩10分以内にあります。
なお、富浜は公示地価が調査されていないエリアなので、
最近の不動産取引価格を調査してみました。
富浜では、ここ2〜3年で以下のような取引があります。
- 中古マンション 2600万円(昭和51年築 3LDK 60㎡ )
- 中古マンション2800万円(平成13年築 3LDK 60㎡)
- 宅地(土地のみ)5300万円(100㎡)
- 宅地(土地と建物)5600万円(令和4年築木造 90㎡)
参照:国土交通省 土地総合情報システム
中古マンション取引で言うと、同じような広さの
昭和51年の物件と平成13年の物件がありましたが、
売却価格はほとんど変わりませんでした。
ここから分かるのは、「築年数が古くてもあまり値が下がっていない」ということです。
やはり、駅近は値が落ちにくいということなのでしょう。
塩焼
塩焼は、富浜よりさらに南に広がる住宅地です。
江戸川方面には、2022年11月にオープンした「ぴあぱーく妙典」が広がっています。
ぴあぱーく妙典は現在も工事中ではありますが、
野球場や、最新の遊具がある広場はすでに遊べるようになっていて、
子どもたちをのびのび遊ばせるのに良い場所です。
塩焼の公示地価は公表されていないので
都道府県が調べる「基準地価」が公表されたのでこちらを参考にしますが、
2022年の基準地価は、1㎡あたり30万8000円※でした。
※参照:国土交通省 土地総合情報システム
これまでは基準地価の調査対象でもなかった塩焼地区ですが、
2022年から新しく調査の対象に追加されています。
つまり、都道府県から「不動産取引価格の指標をつくるべき土地」として
新たに選ばれたということです。
実際に不動産取引件数も増えていますし、
今後ますます注目が高まっていくでしょう。
本塩・本行徳
妙典駅から旧江戸川に向けて北向きに広がるのが
本塩・本行徳地区です。
こちらは昔からある住宅街で、
行徳あたりと併せて「戸数千件、寺百件」と呼ばれるほど、
現在もお寺が多い地域です。
本塩の公示地価は、2014年が1㎡あたり20万5000円でしたが、
2023年には27万5000円まで上昇しました。
上昇率は34.1%です。
<市川市本塩の公示地価推移(過去10年)>
この地域には、徳願寺をはじめとした数多くの寺のほか、
市川市指定の有形文化財である「常夜灯公園」があり
歴史的建造物が多いエリアです。
河原・下新宿
妙典エリアのもっとも北に位置するのが
河原・下新宿地区です。
江戸川と旧江戸川が交流する場所にあり、
下新宿は住宅街、河原の方は江戸川河川敷が広がる緑豊かな環境です。
河原の基準地価は、2014年は1㎡あたり19万5000円でしたが、
2022年には23万円と17.9%上昇しました。
<市川市河原の公示地価推移(過去10年)>
やや駅からは離れますが、豊かな自然が好きだという人は、
このエリアは住みよい場所だといえるでしょう。
まとめ
市川市妙典エリアは、
江戸川・旧江戸川に面した古くからある住宅街地域と、
南側の比較的新しい市街化区域とに分けて考えることができますね。
特に南側の地域は、イオンも近く生活利便性が高いことから、
築年数が経っていても値下がり幅は小さくなります。
妙典は、浦安や行徳と比べて落ち着いた印象の街なので、
穏やかな住宅街を望んでいる人にとっては、
暮らしやすい場所なのではないでしょうか。